Reward for Achievements

欧米の、いや日系の企業以外の会社では社員のAchievementがよりダイレクトにRewardにリンクするということが、一つの特徴としてあげられるでしょう。いいかえればその辺が一番曖昧なのが、これまでの日本企業でした。

  • 殆どの日本企業以外では明確に社員のグレードが規定されており、さらにグレード毎の社員のBenefitが目に見えて増えていきます。そしてそれが給与面だけでは無い他の人から見ても分かるようなものが含まれます。
  • 外資の企業では、グレードに応じて例えばオフィススペース・車の支給・専用駐車場・専用カフェテリア・フィットネスクラブの会員券などなど、いろいろな傍目にも分かるbenefitがついてきます。
  • これは考えてみれば当たり前のように思えます。上に行けばいくほどRiskが大きくなります。Responsibilityも重くなります。そして当然、いままでのachievementsに対するbenefitがあってもおかしくありません。
  • ところが、ご存じのように日本の企業ではその辺はとてもわかりにくく、と言うかほとんど無かったりします。これは戦後日本(というか米国の干渉のもとの)の平等の文化の現れかもしれません。この辺りを意図的に余り表面に出ないようにしているかのようです。
  • こんなことを話題にしたのは訳があります。わたしはこういう社員へのincentiveに対する考え方が、今後の日本の経済にも影響を及ぼしかねない企業の活性化のヒントを持っているように思うのです。
  • 数十年前の日本であれば、いままでのエセ平等でも良かったでしょう。戦後の追いつけ・追い越せのムードの中人々はいわれなくても一丸となって「企業戦士」とまで呼ばれながら馬車馬のように働いていました。ところが教育制度(例のゆとりナントカ)をはじめとする大きな価値観のshiftによって、それはもはや過去のものです。
  • そしてそんな世代に育った人々にむけて、「平社員も、係長、課長、部長もみ〜んな平等に同じような机に座り、同じように通勤電車で通勤しているような会社でincentiveを感じろ。そして会社のためにがんばれ!」と言っても既に無理がきていると思います。だから、「いわれたことを淡々とこなす」などという逃げ腰のコメントが日本企業の社員から多く聞こえてくるのです。
  • 私は平等ということと、自由競争の中での「Reward for achievements」を明確にすると言うことは分けて考えるべきだと思っています。
  • そういう意味では外資系企業はその辺がはっきりしており、これが昨今の日本経済の不調の一端を担ってさえいると考えたりします。外資企業でも人事部門に日本人のmanagementが起用されたりすると、途端にこの旧日本式の色を濃くしてくることもあり、それが社内の士気をくじいているところもままあるそうです。